テクニックをつけると譜読みが早くなる理由
ピアノテクニックと譜読みの早さ、関係ある!?
はい、大いにあります。
譜読みが苦手と自分で思っている人の方が、そのことをよく実感すると思います。
もちろん、譜読みが得意な人も、テクニックをつけると、譜読みがより早くなります。
譜読みが遅い人・不得意な人は、音を一音ずつ読んでいることが多いようです。
一方、譜読みが早い人は、音を一つ一つではなく、パッセージや、音の並び方(パターン)や和音など、横のつながり、音の幅(音程)を見ながら、かたまりで捉えています。
さらにそれを1〜4小節の、ある程度のまとまった長さでも読んでいます。
たとえば『ソミドミ』という伴奏も、最初から『ドミソ』の和音として認識しています。
そして、フレーズの終わりなら『ソミドミ』のあとに『〜ソファレファ〜ドソミソ』、フレーズがまだ続くところなら『ソミドミ』から『〜ソファレファ〜ラミドミ』と続くのではないか?と、次を予想しながらも読んだりもします。
(楽典・音楽理論を学ぶと、このような予測が立てられるようになります。)
ここで、音をかたまりで読むことは出来ているのに、すぐに弾けない状態だったら、どうでしょう?
例えば、右手と左手で音のズレたスケールがあるとします。右手でスケールが始まって、2音遅れて左手のスケールが始まる、というようなことです。
あるいは、『ドソミド ソミドソ・・』といった分散和音や、オクターブや和音の連打が出てきて、
『◯調のスケール、片手ずつなら弾けるけど、両手になったら弾けない』
『ドミソの和音で出来ていることは分かるけど、指遣いがわからない』
『和音の連打、テンポを落とさないと弾けない』
これでは、いくら音符を早く読めても、先に進むことができませんね。
テクニックがつくと、こうしたトラブルで止まることが、圧倒的に少なくなります。
体の使い方をすでに知っているから、弾き方や指遣いで迷うことが減るのです。
さらに、すでにある程度の速さで弾ける基礎があったら、テンポを上げる努力も少なくてすみます。
多少、もつれたりするところはあっても、後でそこだけ少し練習すればいいという算段も、つくようになります。
譜読みが遅い人も、テクニックを身につけることで、音符をかたまりで読むことが、楽にできるようになっていきます。
【音符を読む→弾けるようにする】から、【体が動く→音をかたまりで認識する→弾けている】という状態になるのです。
結果的に、弾けるようにするためにかける時間も、譜読みの時間も、短くなっていきます。
譜読みにかける時間が短ければ、さらに音楽的な表現を深める方向へ、力を注ぐ余裕も生まれます。
そうでなければ、ほとんどの場合、弾けるようにするだけで曲を弾ききってしまい、曲に疲れ、飽きてしまいます。
でもテクニックをつけていることで、より音楽表現を深められる余力を、残すことができるようになります。
そうすれば、音楽でもっと遊べる。私はそうお伝えしたいのです。
テクニックがあれば、音楽はもっとクリエイティブなものになっていく。
そんな風になっていけたら、きっともっと楽しく弾けるようになりますね。
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