70日リレー・レッスン法ができるまで

子どもの頃にピアノを習っていたのに、大人になってもう一度弾きたくても、思ったように弾けない・・

勉強や就職、子育てに一段落して、ピアノを再開したい。でもブランクがあると不安・・

何年も習っているけど、テクニックが付いているように思えない。どうしたらいい？

そんな風に感じる人が、なんと多いことでしょう。

何かを学ぶとき、10年も続けて一つの場所で学べることは、人生の中でさして多くありません。

レッスンに通っていても、引っ越したり、進学したりして、教室や先生を変わったり、中断することも少なくありません。

それでも、学ぶべきことが一貫していたら、場所が変わっても、途中で新しい先生についたとしても、道のりの最後までたどり着くことができるでしょう。

そして、大人になってからでも、ピアノが上手になれる方法は、あります。

レッスンの、そのときそのときの『楽しかった！』も大切だけど、忙しい合間をぬってピアノに向かうせっかくの時間。

今ある時間が、今だけでなく、未来の音楽時間までをも、もっと豊かにするものだったなら・・！！

この70日リレー・レッスン法は、順を追って続けていくことで、演奏テクニックとセオリーが同時に入っていく、とても合理的な練習方法です。

それも、むずかしいセオリーから入るのではなく、演奏テクニックの習得と並行しながら、音楽的な理解力を高めます。

とても短い時間で、少しずつ積み重ねによって、結果的に短期間で身につけることができます。

これによって、譜読みや初見を楽にして、弾きたい曲がいつでも弾けるようになります。

しかも、習得するテクニックはとても実践的で、短時間で曲を仕上げられるため、レパートリーを増やす助けとなります。

演奏していける体づくり・意識づくりを通して、テクニックの維持向上をしながら、結果的に長く、より楽しくピアノを弾いていけるようになるのです。

私自身も、転勤族の父を持ち、高校生までに５度の転居をして、５人の先生にピアノを教わりました。

大学を出た後も、就職・出産・転勤・子育てと、幾度となく長期の演奏ブランクに晒されてきました。

それでも、必要なときには、学んだテクニックをメンテナンスして、本番ステージに戻ってきています。

一度身についたテクニックは、その後も、エッセンスはそのつど取り戻すことができます。

ブランクがあっても、メンテナンスしていくことによって、10年20年と経っても、技術を自分のものにしておくことができるのです。

いつかは教室を離れる生徒さん、大人になってもう一度再開したい方、大人になってからピアノを習い始めた方でも、最初の一歩は同じです。

いまある時間を少しだけ、未来でよりピアノを楽しむために使いませんか？

このリレー・レッスン法で、そのお手伝いができましたら、とても嬉しく思います。

（著者プロフィール略歴）

英国ロンドン・パーセル音楽学校修了

米国ジュリアード音楽院（NY）Miyoko・N・Lotto氏に師事

英国ギルドホール音楽院（ロンドン）元教授故B・カプラン氏に師事

英国サリー大学元教授故P・クローサー氏にピアノ伴奏法を師事

Canford Music Summer School & Festival、ピアノ伴奏法マスタークラス修了（英国）

Sherborne Music Summer School & Festival、室内楽マスタークラス修了（英国）

2006年以降、ティーチング・アーティストとして活動。

その他：

国際コンクール受賞歴あり。音楽指導歴８年。

2006年以降、プロ浄書家として活動のかたわら、レストラン演奏を中心に、学校施設などへのアウトリーチ、病院コンサートなど企画演奏多数。

ポピュラーピアノのほか、連弾アレンジ、アンサンブルや室内楽アレンジ等、編曲も手がける。

海外ではピアノ歴の浅いアマチュア奏者がアンサンブルや室内楽を楽しむ姿に感銘を受け、国内外でさまざまなピアノ教授法に触れながら、指導法について研究。

2017年よりシンガポール、2019年より中国へ移り、自身もローカル音楽団体、日系人演奏家グループ、外国人による国際合唱団等に所属。伴奏や指導活動を行う。

現在、上海在住。異国で子育てする二児の母（５歳女児、２歳男児）。